恋、涙 …



「…聞かないぞ。」



運転席に戻った先生は、私の方を見ずに言った。



「え…?」



「お前、どうせプレゼントなんかいらないって言うんだろ?…顔見たらわかる。」



すごい…
確かに言おうとした。



「でも、それじゃ俺の気が晴れないんだ。だから…な?」



それに、お前には色々と世話になったから…



先生はそう付け加えて、車を発進させた。



「…ありがとう。」



先生の気持ち…
ちゃんと伝わったよ─



「じゃあ、プレゼント貰う。けどその代わり、先生にお願いがあるの…」



「…ん?」



「1日だけでいい…先生とずっと、一緒にいたい。」









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