恋、涙 …
俺はポケットから携帯を取り出し、希に近付ける。
フラッシュはないが…
これで起きるだろう。
そう思い、俺はピントを合わせて写メを撮った。
「…うぇっ!?」
意味不明な声を出しながらも、希は一回のシャッター音で目を覚ました。
作戦、大成功♪
「起きたか?希。店、とっくに着いたんだけど。」
「うわ…うわっ…ちょっと、先生!!さっき…何やったんですかぁ??」
敬語だし…
だいぶ慌ててるな─
そんな希の姿を見て、俺は笑いながらさっき撮った写メを保存する。
「なにって…写メ。お前の寝顔撮ったの。悪い?」
「えぇ……べ、別に悪くは…ない、けどさぁ…」
赤い顔をして言う希は、明らかに照れていた。
ったく…可愛い奴。
「それ、もう取っていいぞ。被ったまま店入ったら、絶対怪しいから。」
希にそう言った後、俺は車から降りた。