恋、涙 …
はぁ…
改めて、自分はこんな人間だったか?という疑問が頭の中を支配する。
……葉月の時は、あのショックが大きすぎて、普段はどんな感じだったのか忘れてしまった。
つい最近までは、教師とあろう者がいろんな女に手ぇ出したりしてて─
本気の恋なんて…
俺には無縁だった。
葉月以前の経験はゼロだし、ほぼ初心者だな俺─
「うわぁ……可愛い♪」
なんてことを考えているうちに、希は俺が押し付けたプレゼントを開けていた。
輝いた目で嬉しそうにネックレスを見つめている希を、俺は横目で見ていた。
「先生、センスあるよ。もっと自信持っても大丈夫!」
…そうか??
まぁ…
希がそう言うなら─
「先生…着けて、いい?」
もちろん。
でも…
「…俺が着ける。」
ここは譲れない。