恋、涙 …
「…貸して?」
渡されたネックレスを、俺はそのまま希の首に付けた。
「うん…似合ってる。」
これでやっと、気が収まったって感じがする。
「…ありがとう、先生。私…すごく、嬉しい─」
ネックレスに触れながら、希は泣きそうな声で呟いた。
本当…
どうしようもないな。
「また泣くのかよ…」
「だって…っ、!!」
ついに泣き出した希を、俺はそっと抱きしめた。
「…大丈夫だから。ったく、泣き虫だな…お前は。」
「………っ、うぅ…っ」
なんで泣く必要があるのかはよくわからないけど、俺は希が泣き止むまで、ずっと抱きしめていた。