恋、涙 …
同じような感じで、先生は4回目までをノーミスで決めてきた。
これで…悠哉と同点。
勝てる…
絶対勝てるよ─
心の中で応援しながら、私は目を瞑って祈る。
先生…頑張って!!
でも…
最後のシュートは…
ギリギリで外れてしまった─
「あ……ミスった。」
シュートを打った瞬間に、先生はそう言っていた。
その言葉通り、ボールはゴールネットのフレーム部分に当たり、下に落ちてしまった。
「…同点だな、中津。」
少し悔しそうにしながらも、先生は私たちのいる場所に歩いてきた。
「いや…俺の負けだ。」
「悠哉?」
どうして…?
ハンデありでも同点じゃん。
「中津…」
「本当…すげぇよ、杉田。俺、完敗だったな〜!」
悠哉の顔を見ると、普段あまり見ない清々しい表情を浮かべていた。
悔いはない…
そう言っているような。