恋、涙 …
その声を聞き、悠哉はやっと先生がいることに気付いたようだ。
「なんだよ〜、杉田…いるならいるって言えよ!」
入り口の方を向いた悠哉は、今まで座っていた机の上から降りて言った。
「杉田、いつからいたの?」
「ん?ついさっき。…!篠原はすぐ気付いてくれたのに、中津は鈍いな。」
喋ってる途中で誰かが廊下を通ったからか、先生は私のことを名字で呼んだ。
「鈍いって…ま、いいや。それより希。アレ、杉田に言わないでいいのか?」
アレって…
さっきの話、だよね?
「……なぁ杉田、俺が考えた超可愛いあだ名があるんだけど〜、聞きたい?」
悠哉は怪しい笑みを浮かべて先生に言った。
「あだ名…?」
「悠哉…っ!!」
私は咄嗟に悠哉を止めようと声を上げたけど…
「かーくん、っていうんだけどさ…どう思う?」