恋、涙 …
休憩時間になり、部員のみんなにスポーツドリンクを渡してから、私は体育館の入り口に視線を向けた。
やっぱり…来ないな。
「希ちゃん、今日は杉田部活来ないって言ってた?」
部長に聞かれ、私は何も言われてないと首を横に振った。
いつもは来るのに…
部長はそう言って渡したスポーツドリンクを飲んだ。
「諒【リョウ】くん、私ちょっと職員室見てくる!」
部活を部長に任せ、私は走って体育館を出る。
部活に来なくても…
職員室にはいるはず。
階段を急いでかけ上がり、職員室を目指す。
「……あっ!!」
いた。
職員室に続く廊下の途中に、窓から外を見ている杉田先生を見つけた。
「先生!」
「…なに?篠原。」
先生の隣まで行くと、興味なさげな目で見られた。
ちょっと傷付く─
「先生…今日部活来ないんですか?みんな心配してましたよ。だから私、」
「そんな気分じゃない。」
えっ…?