恋、涙 …
ここまでの道は、決して平坦な道ではなかった。
自らの傷を言い訳にして…
たくさん人を傷付けた。
親友だった『奴』の死を聞かされた時は、たとえそいつが恨みの対象であっても悲しかった。
そう言えば、元カノに殺されかけたりもした…
あの後、俺は警察に逮捕された元カノに、たった一度だけ会いに行った。
かつての親友に…
一目会いたかったから。
墓の場所を知る為に─
あいつの姿は、もう二度と見ることは出来ないけど…
「…いけねぇ。」
今は回想より、やるべきことが目の前にある。
「どうするかな…」
俺は傷付いてもいい。
けど…希は守らないと─
己の無力さにうちひしがれながら、俺は1人対策を考えるしかなかった。