恋、涙 …
「…すいません。」
いくらあの手紙のことが気になるとは言え、会議中に考え事なんて言語道断だ。
「まぁ…いいよ。で、話の続きなんですが…」
俺を怖い目で睨んでいた主任は、すぐに笑顔になって話の続きを始めた。
元々優しい人だからな…
「なんかあった?」
会議が終わり、HRの時間が近付いてきた時、陽翔が呟くように言った。
「らしくないよ、一真。会議中にボーッとするなんて…」
陽翔…
心配してくれてるんだ─
でも…
「いや…何でもないんだ。ちょっと…考え事してただけ。」
言う訳にはいかない。
これは…
俺の問題だ。
「そう?ならいいんだけど…にしても、主任に怒られなくてよかったな。」
「あぁ………」
ごめんな…陽翔。