恋、涙 …
授業は少し開始時刻が遅れた以外は、普段と何も変わらず進んでいた。
かーくんの様子も、変わったようには見えない。
でも…
私にはわかるよ?
かーくん…
何か隠してる。
昼休みにでも、本人に聞きに行ってみよう。
私はそう決心して、授業に集中した。
「あの…杉田先生は?」
昼休み。
職員室に行くと、そこにはかーくんはいなくて、近くにいた英語の藤崎先生に尋ねた。
「ん?君は…えっと、2-Bの篠原さん、だよね?」
覚えてるんだ…
あんまり関わりないのに─
「は、はい…」
「杉田先生なら…お昼食べた後は見てないな〜。俺が準備室行ってる間にどっか行っちゃったみたい。」
そうなんだ…
ここにいないなら…
あそこ、かな?