恋、涙 …
あそことは…屋上。
かーくん、屋上管理の係になってるって言ってたし、屋上で空を見上げるのが好きだって言ってたし…
私は職員室を出て、階段を出来るだけ静かに上り、屋上に出るドアのノブを握る。
そ〜っと捻ると、鍵はかかっていなかったのか、ドアは普通に開いた。
少しだけ開けた隙間から、屋上の様子を伺う。
すると…
やっぱり、いた─
「…杉田先生!!」
私は大きめの声で、かーくんに向かって言った。
でも一応ここは学校だから、かーくんとは呼ばない。
私の声に気付き、振り向いたかーくんは驚いたような表情をしていた。
「やっぱりここだった。」
かーくんがいる場所まで走って行き、自分より背の高いかーくんを見上げた。
「……希。」