恋、涙 …
呟くように私の名前を呼んだかーくんは、どこか哀しげな瞳で私を見ていた。
「…かーくん、やっぱり何かあった………っ!!」
いつもと違うかーくんの様子に、私は疑問を覚えて理由を尋ねようとした。
けど、言葉の途中で突然腕を引っ張られ、今はかーくんの胸の中。
かーくんは何も言わずに私をぎゅっと抱きしめる。
「どうした…の?」
「………」
それから私が何を言っても、かーくんが答えることは一度もなかった。
いつもなら安心するはずのかーくんの温もりが、何故か私に不安を与える。
怖い…よ。