恋、涙 …
決 side kazuma
陽翔と一緒に昼飯を食べた後、俺は1人で屋上に行った。
考えるのは、やっぱりあの手紙と写真のことだ。
でも考えれば考えほど深みにはまるというか、わからなくなってくる。
今のところ標的は俺だけのようだが、後に希にもこんなものが届くかもしれない。
そうなる前に…
何か手を打たないと─
「杉田先生!!」
寒空の下、答えの見えない問題と戦っていると、自分の名前を呼ぶ声がした。
振り返ると、屋上のドアの所には、希がいた…
ごめんな…希。
本当はお前に会えれば嬉しくなるはずなのに、今はどうしようもなく苦しい…
俺に向けるその笑顔は、何も変わらないのに─
俺の気持ちだって、何も変わっていない。
けど、これから先を考えれば、お前を俺から突き放すって方法も、手段の1つとして考えなきゃいけない。
「かーくん……?」
何かあったのかと聞く希を、俺は無言で抱きしめた。