恋、涙 …

本当は…
こんなこと、言いたくない。



でも…
もう決めたことだ。



｢どう……して？｣



希は俺の言葉を聞くと、今にも泣き出しそうに、小さな声で言った。



｢…ごめん、言えない。でも、別れるとか…そんなんじゃないから。｣



希を傷付けたくない。



これはその一心で決めたことだけど、今この瞬間、俺は自分の手で希の心を傷付けた。



でも…
まだ、真実を知って傷付くよりは傷は浅く済む。



だから…



｢…や、だよ。理由…ちゃんと言って？わかんないよ…急にそんなこと言われても…っ！｣



｢…………｣



希は泣いていた。



｢ねぇ……かーくん！！｣



俺は何も言えなかった。



悔しい…
そう思うだけだった─