恋、涙 …
重い空気が流れる中、泣きたいのを必死にこらえ、私はかーくんに抱きついた。
いつもなら、そんな私をかーくんは笑って抱きしめてくれるのに…
かーくんの手が、私に触れることはなかった。
「……わかった。」
小さな声で呟く。
「………」
かーくんは無言のまま。
それでも、私は続けた。
「離れるのは嫌だけど…少しだけだよね?また…戻れるんでしょ?」
信じてる。
かーくんの背中に手を回し、ぎゅっと力を込めた。
「私…待ってるから。」
本当は離れたくない。
でもそれは私だけではなく、きっとかーくんも同じ思いなんだ…
だから辛そうに、私にあんなことを言ったんだ─
「……じゃあ、ね。」
抱きしめていた手を離して、私は何も言わないかーくんに背を向けた。