恋、涙 …
ずっとあそこにいる訳にはいかないし、私はやっとの思いで足を動かし、その場を離れた。
大丈夫…
また、会えるから─
これは『別れ』じゃない。
そう自分に言い聞かせながら歩いて、たどり着いた先は教室ではなく保健室。
恐らく真っ赤になっているであろう目で、みんなのいる所には戻れないし…
「…失礼します。」
「は〜い!」
保健室のドアを開けると、姿は見えないけど、養護の先生の声が聞こえた。
「あの……先生?」
「ごめんなさいね〜!ちょっと今手が離せないの。座って待っててくれる〜?」
わからないけど、私は先生の言う通りに、ソファーに座って待つことにした。