恋、涙 …
まだ…あるんだな。
消えたと思っていた。
でも俺の中の闇は、冷たい心の氷は、まだあった。
この思いが…
何よりの証拠だ。
俺はまた…闇に染まった、氷のような人間に戻ってしまうのか……?
「…俺は、杉田を信じて希を託した。」
「え……?」
そんな思いに蝕まれかけていた時、中津が呟いた。
「何があったかは知らない。けど俺は、希には笑ってて欲しいから…その為には、杉田にいてもらわないと困るんだよな…」
中津の顔は、さっきの『怒り』を感じた時とは一変して、少しだが笑顔を見せてくれた。
「俺、まだ信じてるから。なぁ、杉田。希を裏切るようなことは…絶対すんなよ?」
「……わかった、約束する。」
信じてる─
俺の中のどこかに残ってた冷たい闇は、中津のその言葉で消えて行った。
戦ってやる。
俺の大切な人を傷付けようとした奴を…必ず突き止める。