恋、涙 …
第13章
影 side kazuma
♪〜♪〜♪〜♪〜
あれから2週間が経った。
場所は、放課後の屋上。
俺は1人、特に何も考えず、ハーモニカを吹いていた。
このハーモニカは、少し前に陽翔が俺にくれたものだった。
初めはなかなか上手く出来なかったけど、今ではだいぶよくなったと思う。
透明感があるというか、何故だか惹かれるこれの綺麗な音色が、俺は好きだ。
「一真。」
そんな時、俺の名前を呼ぶ声がして、振り向くとそこには陽翔が立っていた。
「陽翔……」
「ま〜た1人で吹いてんのか?全く…飽きないな。」
陽翔は俺の隣に座り、空を見上げてそう言った。
「あぁ…」
俺は生返事をして、手に持っているハーモニカを見た。
「でさ、一真…その後、どうなったんだ?」
その後…
陽翔を見ると、真面目な顔をして俺を見ていた。
「あぁ…俺多分、ここにはいられなくなるな─」