恋、涙 …
「……俺、何も出来ないな。一真が大変な時だっていうのに…」
陽翔には、もう今までの全てを話してある。
隠すのは…
やっぱり嫌だから─
「気にすんな、陽翔。こうなることは…どっかでわかってたから。」
平和に希の卒業を迎えることが出来れば、それは最高に幸せなことだった。
だが…
そう甘くはいかない。
「俺…絶対一真の味方だから。相手が校長でも誰でも…一真の為なら突っかかってやる!!」
陽翔…
「…ありがと。けど、気持ちだけ受け取っとく。」
「え…?」
「何も陽翔まで…飛ばされる必要はないから。全部、俺の責任だから…」
そう言うと、俺は立ち上がって背伸びをした。
「…電話、すっかな?」