恋、涙 …
この2週間、俺は希と授業で顔を合わせる程度で、2人で会うことはおろか、連絡もしていなかった。
だから…
突き離した理由も、何1つ伝えてはいないんだ─
「…全部言う。隠してたこと、全部。これから起こることも…」
「…うん、その方がいいと思う。篠原さんだって、隠されてるのは嫌だと思うしね。」
陽翔の後押しもあり、俺は希に全てを話す決意を固めた。
気を利かせたのか、陽翔はその後すぐに屋上から出て行った。
自分の携帯を見ると、あの時のことを思い出す。
告白した時。
俺の携帯と自分の携帯を触りながら、嬉しそうに笑う希の姿が─
「…………っ」
間違ってはいない。
世間では間違いでも、俺にとっては幸せだった。
だから…
後悔は、しない。