恋、涙 …
…眩しい。
もう秋だと言うのに、この太陽は加減を知らないのか?
真夏のような暑さ。
屋上から見る…晴れた空。
「……………」
いないのはわかってるのに、つい隣を見てしまうのは俺の悪い癖。
あの時は…
俺の目にもあったはず。
篠原のような…
光、純粋、希望が…
戻りたくはない。
けどたまに懐かしくなる。
あの頃はまだ、痛みすら知らなかった気がする。
普通に過ごすのが…
当たり前だった日常。
それを奪ったのは…
俺が一番信頼していた奴だった─
その時初めて、俺はこの世界にある闇を知った。
絶望を…苦しみを。
あの光景は今も、俺の目から焼き付いて離れない。
この空の下、同じ世界で生きているであろう奴らを、俺は絶対に許さない。
「…杉田先生?」