恋、涙 …
最近、鳴ることのなかったお気に入りの着信音。
急いで携帯を手に取ると、そこには待っていた人の名前が表示されていた。
震える手で通話ボタンを押す。
「もし、もし…?」
『…よぉ、希。』
大好きな人の声─
一言聞いただけで、私の目には涙が溢れていた。
「かー…くん。ずっと…待っ、てた…っっ!」
『おいおい…早速泣きべそか?ったく…2週間だけだぞ?これでも早かった方だっての。』
2週間だけでも…
私にとっては長かった。
かーくんが側にいないことが、こんなにも辛いことだったなんて…
手を伸ばせば届く距離にいるはずなのに、この2週間はかーくんはどこか遠くにいるような感じだった。
「だって…っ!!」
『…わかってる。俺が悪かった。お前に何も言わずに、いきなり突き離すなんて…ごめん。』
かーくん…
『それでな…希。大事な、話があるんだ。聞いて…もらえるかな?』