恋、涙 …
「どうだった?」
屋上に着いてドアを閉めた途端、陽翔が尋ねてきた。
「うん…処分は後日、だってさ。希におとがめがないように、だいぶ嘘付いたけど。」
陽翔には隠し事はしないと決めてあるから、俺はさっきのことを全て話した。
「一真…それ、嘘付きすぎだろ。そこまで篠原さんのこと…」
「俺、決めたんだ。自分がどうなっても希を守るって…昨日、希にも言ったから。」
希は待っててくれる。
俺を信じて…
待っててくれるんだ。
これは俺の最後の恋。
自分がどうなろうと守りたいと思える人は、俺にとっては希が最初で最後だ。
「一真…」
「多分…異動だろうな。場合によっちゃ、免許剥奪だったりして…」
「そんな…っ!!」
「いいよ、陽翔。俺は…希を守れればそれでいい。」
俺に出来ること。
それは…
おとなしく処分を待つことだ。