恋、涙 …
よかった…
俺は…
希を守ることが出来た─
「杉田先生…あなたがしたことは、決して許されることではありません。ですが…私は、感動しました。」
「え…?」
「…あなたが今回のことについて説明した日、私はどうしてもあなたの言葉を真実だとは思えませんでした。篠原さんを守る為に…あなたは私たちに嘘を付いた。違いますか?」
嘘…だろ?
見抜かれてた…のか?
「その顔は…図星のようですね。だから私は、あなたの思いを汲んで、出来るだけ処分を酌量したんですよ?」
「校長…先生。」
「このことは他の先生方…特に教頭先生には内緒ですよ?」
そう言うと、校長は俺に笑顔を向けた。
「篠原さんのことは心配ありません。ですから、あなたは異動先で…しっかり頑張って下さい。」
「はい…っ!」
処分は校長の厚意のおかげもあって、俺の異動だけで済んだ。
希が退学なんて言われたらどうしようかと思っていたから、助かった。