恋、涙 …
「…も、もしもし?」
私は携帯を手にして、慌てて電話に出た。
『希……俺。』
うん…
わかってるよ─
『今日な…処分が、決まったんだ。いいか…落ち着いて、聞けよ?』
落ち着いて…?
「う…うん。」
『希には何も処分はなかった。ただ…俺は、来月から離島勤務ってことになった。』
え……?
『その離島な、ここから結構遠いんだ。そう簡単には帰って来れない。だから…しばらく希にも会えなくなる。』
そんな…
かーくんが異動になるかもしれないっていうのはわかってたけど、そんなに遠い所に…?
『…希、ごめん。しばらく1人にするけど…っ』
「いいよ。」
かーくんの言葉の途中で、私は拳を握りしめながら、泣き出しそうなのを堪えながら言った。