恋、涙 …



――――――――



それから1週間後─



春休みに入っていた私は、離島に行くかーくんを見送りに来ていた。



かーくんが異動になることは、まだ知らない人の方が多い。



みんなは、新学期になってからある離任式で知ることになるらしい。



もちろんみんなに知らされるのは、私とのことが原因で受けた処分という形の離任ではない。



ただ単に…
杉田先生は離島に異動になっただけ、と説明されるそうだ。






「希…わざわざありがとな。…あと中津、なんでお前はここにいるんだよ?」



かーくんは見送りに来た私の頭を優しく撫でながら、私について来た悠哉に鋭い視線を向ける。



「いいじゃね〜かよ。しばらく会えなくなるだろ?だからさ…最後のお別れに、来てやっただけだ!!」



悠哉…



「…そっか。ありがとな、中津。」



悠哉の本心がわかったのか、かーくんはさっきとは一変して悠哉に笑顔を向けた。



「う…うるせぇ、バカ杉田!!希、俺向こうに行ってるから、終わったら来いよ!」



まったく…
素直じゃないんだから─








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