恋、涙 …
「ふふっ…悠哉、かーくんのこと好きなのかな?」
悠哉の後ろ姿を見ながら、私は笑って言った。
「やめろよ、希…男に好かれても気持ち悪いだけだっての。」
わかってるくせに…
悠哉のかーくんに対する『好き』は『信頼』って意味なんだよ…
それでもかーくんは、わざと顔を歪めて悠哉の後ろ姿を見ていた。
その顔がちょっと嬉しそうに感じるのは、私の気のせいかな?
「でもまぁ…中津は気が利く奴で助かるよ。希…これ、受け取ってくれる?」
「え…何、これ?」
かーくんが私に差し出したのは、小さな箱だった。
「…開けてみ?」
かーくんに言われ、私はその小さな箱を受け取って開けてみた。
「……うわぁ!!」
中に入っていたのは、綺麗なペアリングだった。
「この前はまぁ…微妙な言い方だったから、この際ちゃんとはっきり言う。」
「かー…くん?」
「俺と…結婚して下さい。」