恋、涙 …
「じゃあな…希。」
船が到着し、いよいよ別れの時が来てしまった。
「寂しくなったら…いつでも連絡してこい。な?」
俯く私の頭をそっと撫で、かーくんは言った。
「ほんのちょっと会えなくなるだけだって。…すぐ帰るから。」
何も答えない私を元気付けようとしてくれているのか、かーくんは優しい言葉をかけてくれる。
「希……」
「…大丈夫。」
やっと声が出せた。
「ごめんね…心配ばっかり、かけちゃって。」
「………」
「大丈夫だよ、かーくん。ほら、私もうこんなに元気だから!ね?」
さっき泣いちゃったから…
最後だけは…
笑って送り出さなきゃ。
「俺の方こそ…ごめん。いつも泣かせてばっかりだし。今も…無理させてる。」
かーくん…