恋、涙 …
第1章
偽 side kazuma
「杉田先生♪」
放課後の職員室。
同僚の先生が俺を呼ぶ。
「…何ですか?」
笑顔で返事をしてみると、彼女は頬を少し赤く染めた。
バカバカしい…
「あ…っと、修学旅行の件なんですけど…これ、確認お願いします。」
俺に書類を突き付けると、彼女はそのまま席を立った。
まぁ俺、一応教師。
科目は…社会。
名前?
杉田 一真【スギタ カズマ】
普段は愛想よくしてるけど、本当の俺はこんなキャラでははない。
自分で言うのも何だが、最低って言葉がこんなに似合う人間はいないと思う。
自意識はある。
けど、改善はしない。
許さないから…
『女』という生き物を。
いや…
『人間』自体をか─