恋、涙 …
優 side nozomi
杉田先生が去った後、私はしばらくあそこにいた。
空を見てると…
なんとなくだけど、屋上に行きたくなってきた。
気晴らししたいし─
こんな暗い顔で、部活には戻りたくなかった。
屋上が生徒立ち入り禁止だというのは知っていた。
けど…開いてるかも。
僅かな希望を持って、私は階段を登っていった。
「……!」
ドアに手をかけると、偶然にも鍵がかかっていない。
入っても…いいよね?
そ〜っとドアを開け、私は屋上に誰かいるのかを確かめようと覗いてみた。
すると…
そこには予想外の人物、杉田先生がいたんだ─
そこから…さらに予想もしなかったことになった。
私…
気付いたら泣いてた─
先生がいつもと違う表情で、あんな悲しいこと言うから…
『素直でいたって、純粋でいたって、何の得もない』
だったら…
先生は嘘付いて生きるの?
そんなの…悲しいよ。