恋、涙 …
私は無力だ…
一人残された屋上で、私は空を見上げながら考えた。
『自分以外の人間は全て敵』
『信じたら負け』
昨日よりも具体的になった言葉。
でも、何一つ理解出来ない…
さっきの先生の目には、光が宿っていなかった。
まるで…
闇の中にいるような─
沈んでると言うか、先生は自ら他人との距離を置いている。
それは…
先生に何か秘密があるから?
人に知られたくない。
その思いが、あんな尖った言葉を言う理由かも…
「……………」
手元に残る、先生が私に貸してくれたハンカチ。
先生には…
優しい所もある。
全部嘘だと聞いても、やっぱり私は信じていたい。
どこかに…
本当の先生がいたって─
真実は…
絶対にあるんだ。