恋、涙 …
後悔するのは自分だ。
しかも…
もう恋とは縁を切った。
美久はまだ、俺は元に戻った方がいいと言うが…
俺には無理だ。
その考えは変わらない。
「杉田〜!!」
そんなある日のこと…
授業を終えて職員室に帰ろうとしていた俺を、中津が笑顔で呼び止めた。
「……なんだ?」
「昨日休んでてさ〜、日本史のノート出せなかったんだよね…はい、これ!」
そう言って中津が俺に渡したのは、ルーズリーフの束。
「これ…ノートか?」
「俺はルーズリーフ主義者なの。」
嘘付け…
授業中はいつも寝てて、ろくに板書もしてないのに。
このルーズリーフに書かれてあることは、中津本人が授業中に書いたものではない。
なら…答えは1つだ。
「篠原か?」
俺は、少し離れた所で友達と談笑している篠原を視界に捉えた。
「…バレたかぁ。そうだよ、全部希に写させてもらった。」
正直だな。
だが…許す訳にはいかない。
「中津。遅れて出したのは仕方ないが、お前のノート点、他の奴よりは減点だからな。」