恋、涙 …
こんな奴が、教師なんてよく勤まってるよな…
我ながらそう思う。
渡された書類の確認を終え、俺は社会科準備室へ。
ここは誰も来ない…
絶好の場所だ。
「もしもし、美久【ミク】?」
『一真〜、サボり?今仕事中なんじゃないの?』
いつもこうやってここに来ては、誰かと電話してる。
「別に…暇だから。」
『まぁいいけど。で、今日はウチ来るの?』
こいつはただの遊び相手。
他にもたくさんいる。
過去の経験上は、卒業生や教育実習生ともヤったことがある。
はは…
最低だな、俺─
「あぁ…行く。」
『わかった〜。待ってるね。一真、絶対だよ!』
こんな感じで、俺は許すはずのない『女』と日々遊び歩いている。
生徒や他の先生にバレたりしたら終わりだな…
「はぁ…」
俺は、常に偽りの塊だ。
真実なんて…ない。
誰にも心を許さない。
孤独な人間だ…