恋、涙 …
俺に質問して、篠原は器用に長い黒髪をまとめ上げてくくった。
別にポニーテールが好きとかではないけど、思わずじっと見つめてしまう。
「な…何ですか?」
俺の視線に気付き、少し慌てたように言う篠原。
「別に。んで、お前は煙草嫌いじゃないのか?」
危ない危ない…
俺は視線を反らす。
ついでに話題も逸らす。
「ん〜、嫌い寄りの普通…って感じですかね。」
どういうことだよ?
「あっ!先生、そんなことより話逸らさないで下さい。」
気付かれた…
「はいはい…明日から俺は下位補習なの。高橋先生の代わりで…憂鬱です。」
面倒だし…
答えれば済むか。
そう思った俺は、篠原に補習のことを話した。
前の俺からは…
想像すらつかないな。
「へぇ〜下位補習か。私は用事ないけど…悠哉が用事あるな。」