恋、涙 …
なんて呑気に考えていると、雨はどんどん本降りになってきた。
冷たい…
「先生、早く戻ろ!」
篠原に引っ張られ、俺たちは走って校舎の中へ入った。
「寒っ……」
校舎までの道のりで結構濡れてしまった篠原は、少し震えていた。
まぁ…俺も濡れたけど、寒くないから平気だ。
でもこのままじゃ、篠原が風邪引きそうだな…
時期も時期だし─
「篠原…待ってろ。」
職員室の前の廊下まで篠原と一緒に歩いてきて、俺は急いで職員室の中に入り、自分のタオルと上着を持って戻って来た。
「ほら…大丈夫か?」
持って来たタオルを篠原の頭に被せ、上着を肩にかける。
「…ありがとうございます。」
風邪引かれたら困るし…
「先生は…大丈夫?」
「俺?あぁ…大丈夫。」
俺は、雨に濡れたぐらいで風邪なんか引かない。