恋、涙 …
近 side nozomi
久しぶりだな…
こんなに雨に濡れたの。
さっきまで寒くて震えが止まらなかったけど、先生のおかげでだいぶマシになった。
やっぱり…優しいね─
「先生…そのままじゃ風邪引いちゃうから、髪だけでも拭いて下さい。」
自分の髪を拭いた後、私は先生にタオルを渡した。
「あ…うん。」
先生…寒くないのかな?
髪を拭く先生を見ながら、私は先生が貸してくれた上着に袖を通した。
私には大きいな…
それに、煙草の匂いがする。
「先生…煙草、止めようとか思わないんですか?」
なんとなく…
聞いてみたくなった。
「…思わないな。」
目が曇った。
また…何か考えてる。
話題変えよう。
「あ〜…先生、さっきの補習の話ですけど、」
「来たかったら来いよ。」
え…?