恋、涙 …
だから、俺は本物の愛や恋などとは無縁だ。
誰かといても…
心の中では常に一人。
もう二度と…
本気で恋なんてしない─
そう決めたんだ。
「おっ、杉田〜!!」
放課後=部活。
まぁ…絶対じゃないが。
俺は一応、男子バスケ部の顧問をやっている。
気は進まないけど、毎日部活に顔は出す。
「呼び捨てすんな、中津。」
目の前にいる失礼な奴は、バスケ部のエース選手。
中津 悠哉【ナカツ ユウヤ】
体育館に行くなり、俺は中津に捕まってしまった。
「別にいいじゃん。この方が呼びやすいし♪」
ちょうど休憩中だったようで、中津は俺の隣に座り込んだ。
「なぁ…杉田って、」
「悠哉!!」
中津が何か言おうとしたその時、誰かが中津の名前を呼んだ。
「……んだよ、希。」