恋、涙 …



先生はそう言って、職員室とは逆の方向に進む。



着いた先は…
社会科準備室だった。



「ここ…?」



こんな所、他の人なんか絶対に来ないじゃん!!



先生と2人きり?
緊張するよ…



って、今までも2人で普通に話してたのにね。



「これ…一枚ずつ取って、ホッチキスで止めていって。」



「はい。」



50人分だから、結構な量のプリントがあるなぁ…



私がいなかったら、先生はこれを1人でやってたんだ─



「先生。」



「なんだよ…」



いくらなんでも、何も喋らずに黙々と作業するなんて耐えられないよ…



そう思った私は、同じ作業をする先生に話しかけた。



「私って…面倒ですか?」



……………



しばしの沈黙の後─



「あぁ…面倒だな。」









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