恋、涙 …
美久以外の女とは、完全に連絡が途絶えたと言っても過言ではない。
遊びは…飽きた。
最初はすぐ戻るだろうと思っていたけど、まだ俺は戻っていない。
なんか…
急に真面目になった。
自分でも笑ってしまう─
今ならば、美久がしつこく言っている『アンタは遊び人に向かない』の意味が手に取るようにわかる。
簡単にはいかないけど、いずれは『あいつ』のことも忘れて、この冷徹な仮面も捨てる日が来るのか…
そしたら、篠原を傷付けないで済むかもな…
って…何考えてる?
あの雨の日以来、篠原とはろくに話していない。
目が合っても、向こうから反らされてしまうし…
それがちょっと寂しく感じてしまう自分が、なんとなく気に入らない。
モヤモヤした気分のまま、俺はいつものように校門で煙草を吸っていた。
この行動を後で後悔することになろうとは…
それは突然やって来た。