恋、涙 …
確かに…
そんな時期もあった。
思い出したくないが、俺は葉月に恋してた…
「カズは本当に教師になったのね…科目は?」
「…地歴公民。」
答えながら俺は地面に視線を落とし、唇を噛んだ。
どうして今更…
俺に会いに来たんだよ?
忘れたい…
もう、あの過去は─
「会えて嬉しい…もうあれから7年経ったのか〜」
俺は嬉しくない。
もう二度と見たくない。
お前の姿も…
あんな辛い夢も…
「あの時はどうかしてた。恭平に言い寄られて…気付いたらああなってた。」
何が言いたい…?
「私ね、本当はカズが好きだったの。でも…カズはバイトばっかりして、全然会ってくれなかったよね。」
「……………」
「寂しかった…それで、恭平に慰めてもらってた。これがあの時の真相。」
俺のせい…
葉月はそう言いたいのか?