恋、涙 …
懐かしいな…
俺もバスケやってたし。
少しドリブルをした後、指先でボールを回してみる。
まだ出来るんだ…俺。
「あっ、先生上手!」
中津と言い合いをしていたはずの篠原が、いつの間にか俺の隣に来ていた。
目を輝かせて俺の指先で回ってるボールを見つめる。
「すごいなぁ…私はそんなの絶対無理です〜」
「はは!決まってんだろ?希にそんな器用な真似が出来る訳ないし。」
器用…か。
中津にそう言われた途端、ボールが床に落ちた。
「…俺はそんなに器用じゃないよ。中津だって出来るだろ?」
落ちたボールを拾い、中津にパスをする。
「どうかな…??」
そう言いながらも、中津は俺と同じように指先でボールを回してみせた。