恋、涙 …
体育館に響いたその声は、とても大きかった。
一瞬にして静まり返った体育館の入り口には、杉田先生が立っていた。
なんで…ここに?
私は理解出来ずに、ただ近付いて来る先生を見て突っ立っているだけだった。
「…逃げんな。」
えっ…?
「ちょっと話…来い。」
どういうことかわからないまま、私は先生に手首を掴まれて歩き出した。
「先生…!」
そのまま体育館を出た私は、まだ先生に引っ張られた状態だった。
痛いんですけど…
着いた先は、あの雨の日以来の社会科準備室。
先生は無言で鍵を開け、私を入れると内から鍵を閉めた。
どうなっちゃうの…?
私は不安を抱きながら、先生の背中を見ていた。
「あの…」
「なんで見てた?」