恋、涙 …
それって…
「…私を信じるってことですか?」
「かもな…」
先生はそう言って、準備室にある机の上に座った。
「私でよければ聞きますけど…本当にいいんですか?」
最終確認。
そのつもりで私は尋ねた。
「お前って…不思議な奴だな。俺がこんな人間になった訳、聞きたいんじゃないの?」
先生の言葉で、私はあの時のことを思い出した。
『不思議な人』
前に私が先生に言ったこの一言から、全てが始まったような気がする。
それまで特に意識すらしていなかった先生のことを、私は知りたいと思った。
なぜかなんて…
よくわからないけど。
いや…
本当はわかってる。
気付いてるけど、気付かないフリをしてるだけ…
今も…そうだ。
「…聞きたい、です。」
この話を聞いても気持ちが変わらなかったら、私は先生に伝える。
覚悟を決めて、私は先生の目を見つめ返した。
すると、先生も覚悟を決めたように話し始めた。