恋、涙 …
第5章
憶 side kazuma
事の始まりは10年前─
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その当時、俺は高校1年生。
勉強は人並みより少し上ぐらい、スポーツは結構万能な方だった。
外見も、どちらかと言えば見栄えがする方で…
そのせいか、俺が所属していたバスケ部には毎日たくさんの女子が見に来ていた。
当の俺は…
そんな奴らに興味なし。
別に女子が嫌いとかそんな訳ではないものの、騒がれるのは嫌だった。
「一真、お前ってすげぇ人気者だよな〜」
森川 恭平【モリカワ キョウヘイ】
奴とは中学からの友達で、クラスも部活も同じだった。
だから…
恭平とは、いつも一緒にいたと言ってもいい。
「…興味ないし。」
「もったいねぇ〜!てか俺らにしては、一真みたいな奴は羨ましいんだぞ?」
そうか…?
女子なんてうるさいだけだ。