恋、涙 …
俺がストレートにそう言うと、彼女は頬を赤く染めて俯いた。
やっぱりか…
「俺…今は誰とも付き合うつもりないから。部活に専念したいし…」
それよりも、この状況から早く抜け出したい。
「じゃあな…」
「…待って!!」
教室から出ようとした俺は、彼女に手首を掴まれた。
「…………」
「今は興味なくてもいい…いつかもう一度ちゃんと言うから。私は…藤村 葉月【フジムラ ハヅキ】覚えてて。」
藤村って…
さっき恭平が言ってた─
「ごめんね、引き止めたりして。じゃあ…また明日。」
同じクラスだし、嫌でも顔は見ることになるな。
まぁ…
嫌ではないけど。
「恭平〜!悪い。」
それから俺は、何事もなかったかのように恭平の所に戻り、一緒に帰った。