恋、涙 …
それから数週間─
俺と藤村の間には特に何の進展もなく、普通のクラスメイトとして過ごしていた。
その間に俺は他の女子にも告白されたりして…
でも誰とも付き合う気のない俺は、全ての告白を部活を理由に断っていた。
そんなある日のこと…
「一真…お前さ、なんで誰とも付き合わないの?」
昼休み。
俺は恭平と他の友達数人と食堂に行き、昼飯を食べていた。
そう聞いてきたのは、高校に入ってから知り合ったテニス部の奴だった。
「…興味ないって。」
ぶっきらぼうにそう答え、俺はそっぽを向いた。
「不思議な奴…俺だったら、絶対誰かと付き合うと思うな!一真は損してるって。」
テニス部の奴…名前は確か悠貴【ユウキ】だった…がそう言うと、他の友達も同意するように頷いた。
「そうだ、一真!藤村からは告白とかされたの?」