恋、涙 …
そんな中、恭平が思い出したかのように聞いてきた。
「…一応?」
本当は、藤村が言う前に俺が当てたんだけどな。
「うわ!一真、すげぇ…あの藤村だろ?吹奏楽部で一番可愛い女子じゃん♪」
友達の中にいた、他のクラスの奴が上機嫌に言った。
そうなのか…?
「羨ましい〜!一真、藤村振るとか本当に損だよ?」
「しかも向こうからだろ?これ、超ヤバイって!!」
昼飯を食べている間、俺本人よりも友達が藤村の話で盛り上がっていた。
そんな中、恭平だけが浮かない顔をしていたなんて、俺はその時気が付かなかった。
「一真…どうすんの?」
放課後─
部活に行こうとしていた時、恭平が小さな声で言った。