恋、涙 …
ほらな…
誰にだって出来るんだ。
俺は特別器用じゃない。
どちらかと言えば、不器用に分類されるだろう。
「悠哉まで…いいなぁ。」
「希も練習すれば?そしたらいつかは出来るようになると思うぜ。な、杉田?」
なんで俺に振る…
そう思いながらも、俺は偽りの笑顔で頷いた。
「ま、希は飽き性だからすぐに諦めるだろうけど!」
「悠哉、ひどい!確かに私は人より飽きるの早いけど、そんなすぐに決め付けないでよ!」
また始まった…
こいつら、仲が良いな。
ほら、喧嘩するほど仲が良いってよく言うだろ?
まさしくそれだ。
「…中津に篠原。もうすぐ練習再開するぞ。」
このまま放っておくと、いつまでもやってそうだし…
俺は二人の間に割って入り、喧嘩を仲裁した。
全く…
手間かけさせんなよ。