恋、涙 …
最悪だし…
恭平が帰り、1人残された俺は、改めて藤村を見た。
くそ…
なんかドキドキする─
これもあの、恭平っていうバカ野郎のせいだ。
「何か…用事?」
帰ろうとして持っていた鞄をもう一度地面に置き、俺は藤村に尋ねた。
おかしく…ないよな?
普通の俺だよな?
なんとなく不安だ─
「いや…別に。大した用事はないんだけど…ここに来れば、杉田くんに会えるかな〜って思って。」
そんなに俺に会いたい?
普段クラスで顔を合わせるだけじゃ物足りないのか?
やっぱ…
女ってわかんねぇな。
「それに…言ったでしょ?私…いつかちゃんと杉田くんに言うって。」
あぁ…
そう言えばそうだった。
って…!!
「あ…藤村、俺はまだ…あの時と意見変わってないし…言っても同じだぞ?」
これで完璧だろ?
さすが俺だな。
「それでもいい…私、あれじゃ納得出来ないし。」