恋、涙 …
1つわかることは、兄貴は俺と違って、完全な理系人間であることだった。
なんか…
無性に腹が立つ─
けど今日は、そんなことは脇に置いておくとする。
「ちょっと…相談あんだけど。時間大丈夫?」
まぁ…
こんな時間に家にいるんだから暇だろうけど。
「別にいいけど…」
兄貴は大して興味もなさそうに、俺を部屋に入れた。
「で、相談って何だよ?まさかと思うけど…女?」
変な所で鋭いな…
俺は無言で頷き、兄貴のベットの上に座った。
「一真が俺に相談するなんておかしいからな。」
そんなに変かよ…?
兄貴はそう言って、俺を指差して大爆笑。
やっぱ腹立つ…
相談相手を間違えたな─
「迷ってんの?」
「まぁな…向こうは俺のこと好きらしいけど、俺はイマイチよくわかんねぇ。」
俺は藤村の顔を思い浮かべる。
「俺だったら、それでも普通に付き合うけどな〜。まぁ、一真は俺と違って真面目だもんな。」